繰返し負荷が加わる構造物の応力解析や板材成形におけるスプリングバック解析などでは金属材料に繰返
し応力-ひずみ挙動(バウシンガー効果,繰返し硬化など)を表現する弾塑性材料モデル(構成式)が必要に
なります。材料の繰返し応力-ひずみ挙動は実験により求めることができますが、繰返し弾塑性モデルには多
くの材料パラメータが含まれているため、その材料の挙動を的確に表すためのパラメータの値を実験データか
ら決めるのは簡単ではありません。
MatParaは実験データから自動的に材料パラメータを決定するためのソフトです。このソフトを用いることにより、
誰でも簡単にパラメータ同定ができます。また、パラメータ同定とは別に、「材料モデルを選択→材料パラメータ
を入力→繰返し弾塑性変形の条件(各サイクルごとのひずみ値)を入力」すると、そのモデルで計算された応力
-ひずみ図+データが得られますので、材料モデルを理解・評価するためのツールとしても使えます。
実験で得られた応力-ひずみデータを読込むことで材料パラメータを自動的に同定します。
(自動同定後、手動で微調整も可能)
Yoshida-Uemori,Swift,Armstrong-Frederickなどの材料モデルが使えます。
単軸引張り(繰返しなし)の実験データからでもパラメータ同定ができます。
実験データなしでも材料モデルとパラメータを選択することにより、各モデルによる応力-ひず
み曲線の計算ができます。
同定したパラメータおよびそれを用いて計算した応力-ひずみデータファイルが作成されます。
※引張りデータのみを使った場合には、バウシンガー効果を考えないSwiftモデルでは通常のσ-ε
引張曲線に対するパラメータが決まります。バウシンガー効果を記述するYoshida-Uemori、AFモデ
ルなどでは応力反転側の曲線はMatParaに内在している材料データベースから読込まれる値を用い
てパラメータ同定を行います。この場合の結果は応力反転側の実験データがないので完全に正確と
は言えませんが、多くの実験から得られた材料データベースを用いているので、ほぼ妥当なバウシ
ガー効果が再現できるパラメ ータの同定が可能です。
使用する実験データ・・・・・・csv形式の応力-ひずみデータ(単軸引張りおよび繰返し塑性、単軸引張り
のみでも同定可能)
使用できる材料モデル・・・・Yoshida-Uemori,Swift,Armstrong-Frederick(AF移動硬化)、AF移動硬化
+等方硬化
出力形式・・・・・・・・・・・・・・・同定した材料パラメータとそれを用いた応力-ひずみ数値データ (csv形式)、
応力-ひずみ曲線の図(*.bmp,*jpg)
対象材料・・・・・・・・・・・・・・・270~980MPa鋼など
動作環境・・・・・・・・・・・・・・・Windows XP,Vista